男の痰壺

映画の感想中心です

三姉妹

★★★ 2022年7月9日(土) シネリーブル梅田2

三姉妹の露悪的とまで言えるキャラ付けが、力が入っていて一体物語をどう転がすかとの期待を抱かせるものではある。加えて彼女たちの各々の家族も概ねロクでもない奴ばかり。

こういうゲス野郎ばかりが出てくる映画はけっこう多いのだが、大概ゲスすぎて笑えるくらいまでにカリカチュアされてるか、自壊するか裁かれるかでざまーみさらせと観客の心の置き所は用意されてるものなのだ。

 

本作は、笑えないし溜飲が下がることもない。それなのにあろうことか、なんだかみんな良い人になっちゃってお終いです。

 

終盤で何十年ぶりかで一族が会することになる。それまでの閉塞されたどん詰まりな日々は一旦は開放される。気持ちの持ちようも変わったりする。そのへんは解る気もします。

でも、虐待ネタは解りやす過ぎる。

 

ゲスは周囲をダメにしダメはゲスを吸い寄せるとばかりの三姉妹をめぐる話で、その呵責の無い描き方は良しとするところだが、ピカレスクに振り切っていくのでなく解を明かすことで締めようとする。それでいいのかと思うし温くて甘い。処変わればは解るけど。(cinemascape)

 

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