男の痰壺

映画の感想中心です

午後8時の訪問者

★★★★ 2017年4月8日(土) テアトル梅田1
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ダルデンヌ兄弟の映画は、恥ずかしながら前作「サンドラの週末」が初見であった。
で、今作であるが、えっ又?と思った。
「サンドラ」でコティヤールが解雇撤回への賛同者を求めて1人彷徨する。
「8時」ではエネルが死者の身元を知るために1人彷徨する。
 
ええ奴もおれば冷たい奴もいる。
主人公はひたすらに歩き歩く。
なかなか諦めない。
これが、我々は出来んのですなあ。
もう、やーんぴと直ぐに諦めてしまうんです。
 
まあ、彼女たちは、自分のためにその努力をしてるんですが、映画の中で少なからぬ人々が感化される。
人間すてたもんじゃないとは思わせる。
 
うら若き女性が人々を訪ね歩く徒労の彷徨を描いて『サンドラ』と表裏に見える。正直又かの感も覚えた。が、贖罪半分の我が為行動でも真摯さは少なからぬ感化を人々に及ぼす。そういう些細な営為にこそ意味があるのだし社会性とはそういうことだと教えられる。(cinemascape)