男の痰壺

映画の感想中心です

BLEACH

★★★ 2018年8月11日(土) 大阪ステーションシティシネマ
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先般、英BBCが選ぶBBCが選ぶ21世紀最高の100本ってのがあって、日本映画で唯一選ばれたのが「千と千尋の神隠し」(第4位)であったのだが、これを快挙とするか、たったの1本しか選ばれんのかいとするかで見方が変わるのである。
俺は Cool JAPANとかあげつらって日本のサブカルが世界に通用するとほざいてる日本のマスコミの余りに内向きな迎合性に激しく嫌悪と不安をおぼえる立場でございます。
 
なんで、こんなこと言うかというと、本作に出てくるホロウっていう悪霊が先述の宮崎映画の「顔なし」の造形と酷似するからだ。
なるほど、CG技術は発展しているのだろうが、オリジナリティこそが世界に通用する術なのであって、こんなことばかりしてると100年経っても韓国映画や中国映画や香港映画には追い付けないだろう。
 
他愛のない話で、この世には善意の霊がうようよいて、その中で悪意が増幅した悪霊がいて、死神ってのはその悪霊を退治する存在だそうな。
悪霊の親玉だったらわかるのだが、それじゃ人間にとって頼もしい味方ってことになる。
なんか甘っちょろい世界観。
で、物語は悪霊VS死神へと収斂しなくって、悪霊同士の家族間争いになだれこむ。
主人公は本質おいてけぼりであります。
 
佐藤信介の映画って、その昔、単館公開された「修羅雪姫」ってのを観ていて、当時まだそんなに名を知られてなかったドニー・イェンをアクション監督に招き釈由美子にかなりのレベルの殺陣を実現させていた憶えがある。
本作でも杉咲花ちゃんはようやってる思います。
正直、彼女を見に行ったようなもんなんですが、その点、感情の入れ込みとか同年代の女優の中では一歩抜きんでてると思う。
そういう点では満足でした。
 
母殺しの悪霊に物語は収斂せずに死神兄妹&彼氏(?)の痴話げんかと併存することで拡散しパワーを失う。随分と手前勝手で甘っちょろい世界観と思うが少年漫画にそれ言っても始まらない。ホロウの造形が宮崎チック過ぎるのは興醒めだが花ちゃん力演。(cinemascape)