男の痰壺

映画の感想中心です

2025-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ジェームズ・ネイピア・ロバートソン  James Napier Robertson

生年:1982/03/24 kenironkun.hatenablog.com

秀子の車掌さん

★★★★★ 2025年4月29日(火) シネヌーヴォ 1時間に満たない中篇であり、それだけにエッセンスの結晶のような煌めく強度がある。 田舎のおんぽろ路線バスの日常だが、競合他社のバスに客を奪われて閑古鳥が鳴いてるけど、それは=のどかということであり、ほ…

RAW 少女のめざめ

★★★★ 2018年2月9日(金) 大阪ステーションシティシネマ12 ズッテーン…なんじゃそりゃってなラストであったが語り口は好みであった。 初期のギャスパー・ノエみたいなテイストでもあるし、一方で女性監督らしいガーリーな曝け出し感もある。 校舎の屋上で…

ダーティ・メリー クレージー・ラリー

★★★ 1975年3月23日(日) 伊丹グリーン劇場 メッセージもクソも無く只ひたすらにチェイスの趣向に徹したのが潔いというか知能指数低い感じでサバけてる。そうは言ってもラストは同時代の『イージー・ライダー』風味『バニシング・ポイント』流趣があり妙に味わ…

ザラ・ドヴィンガー Zara Dwinger

生年:1980// kenironkun.hatenablog.com

JOIKA 美と狂気のバレリーナ

★★★ 2025年5月1日(木) 大阪ステーションシティシネマ6 アメリカ人で初めてボリショイバレエ団に入ったジョイという人をモデルにした実話ベースのドラマみたいで、足の骨がボキッと折れるみたいな予告篇からサイコな心理劇だと思ってた俺の予断はスカされ…

blank13

★★★★ 2018年2月25日(日) 大阪ステーションシティシネマ11 映画館でこの映画の予告篇を何度か見ていて、フィルム撮影と思しき画面から並々ならぬ拘りを感じていた。 役者・斎藤工にさほど関心を持ってはいなかった。 が、演出者・齊藤工には今後、注目し…

女神の見えざる手

★★★ 2018年2月4日(日) 新世界国際劇場 ロビイストなる言葉を初めて聞いたのは東京オリンピックの招致のときだったと思う。 その後、中国や韓国がアメリカで反日議案を通すときにも聞いた。 要は票取り屋なのであるが、今の時代、どのような手練手管で潮流…

路傍の石

★★★★ 1979年2月4日(日) SABホール 自我の萌芽を辿る明晰な物語性が気持ち良いのは原作によるものとしても、ミクロ的視点に陥りがちな常套的少年成長物語とは一線を隔てた感があるのは、時代を包括的に捉えるマクロ的視点の介在だと思う。実に精緻に丁寧に…

アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン

★★★ 2015年7月5日(日) MOVIXあまがさき6 利己主義集団が共闘関係を確立するまでに軋轢のドラマがあった前作に対し、攻防軸が一方向になったうえ陳腐な「愛」への言及が安く甘い。2名の新規加入は結局既存キャラを押しのけ拡散希釈させただけ。敵ウルトロ…

KIDDO キドー

★★★ 2025年5月1日(木) テアトル梅田3 ハリウッドスターを夢見て、娘を放っぽらかして行方知れずになっていた母親が、彼女を預けてた養護施設に突然現れる。「母娘のボニー&クライド」の惹句は劇中で母親が自分と娘を擬えて言うのを流用してるんだけど、…

海街 diary

★★★★★ 2015年6月24日(水) TOHOシネマズ梅田9 姉妹間だけではなく他者との関係性の変容を「空気」だけに最大限の演出を注ぎ込んで緩やかに慈しむかのように描いた工芸品。3度の葬儀と法事が編年のメリハリを付与する構成が高度に小説的だ。想定外の4人の…

オーケストラ・リハーサル

★★★ 1980年12月27日(土) 三越劇場 映像ハッタリ翁フェリーニも目眩く虚仮威しを封印されたワンセット劇でなんとなく冴えない。そもそも描かれるべきエモーションは映画には存在せず場当たりな帰結で誤魔化すのであれば破壊のカタルシスは生じようがない。ポ…

大平原

★★★★ 2025年4月21日(月) プラネットプラス1 一筋縄でいかない女心を描いて含蓄に富む映画である。バーバラ・スタンウィックは鉄道機関士の娘で郵便局に勤める明るく前向きな女性。ロバート・プレストンは鉄道建設の妨害に雇われた博徒だがバーバラに岡惚…

スリー・ビルボード

★★★★★ 2018年2月2日(金) TOHOシネマズ梅田9 【ネタバレです】 監督のマーティン・マクドナーは本作の脚本を書くとき、フランシス・マクドーマンドとサム・ロックウェルに関しては当て書きしたそうだ。 しかし、この映画のキモはやっぱりウディ・ハレ…

極道大戦争

★★ 2015年6月24日(水) TOHOシネマズ梅田6 チャラい設定を料理するには解体再構築するしかないのは解るのだが、意味不明の河童登場で若干広がった世界はしかし一向拡散せず寧ろ狭い商店会へ更なる収縮を続けイライラする。カエルの無茶ブリも最早ウンザリ…

今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は

★★★★ 2025年5月1日(木) テアトル梅田1 大九明子としても「勝手にふるえてろ」を彷彿とさせるイタイ奴ら讃歌としてスマッシュヒットだと思うが、それでもやはりこれは、ジャルジャル福徳の世界に色濃く統御された映画だと思う。 「そんなことまでクドクド…

雪の轍

★★★★★ 2015年7月11日(土) シネリーブル梅田3 ベルイマン・カサヴェテスクラスの深層心理の表出により切り裂かれる魂の痛みは、インテリゲンチャ崩れな高等遊民の防御壁をやがて徐々にだが融解する。ニヒリスティックな世界観だが、それでも融和と希望を託…

修羅雪姫 怨み恋歌

★★★ 1980年12月23日(火) 新世界座 内容的に1作目と比して何が違うわけでもないが、鈴木達夫のカメラが素晴らしい美術と相まって寺山的猥雑さを醸し出し、役者のコラボも一線級の面構えを揃えて「男騒ぎ」な華々しき重厚。正直この映画には勿体ない位。(cinem…

ロバート・ロレンツ Robert Lorenz

生年:1954/04/01 kenironkun.hatenablog.com

花筐 HANAGATAMI

★★★★ 2018年1月30日(火) 大阪ステーションシティシネマ3 本卦還りとでも言おうか…最初期の「HOUSE」や「ねらわれた学園」のテイストで驚いた。 大林宣彦は前述2作や尾道3部作など、ほぼ同時代で見ていたが、たぶん「水の旅人」あたりを最後にずっ…

理由なき反抗

★★★ 1979年4月6日(金) ビック映劇 反抗とか言っても大人は判ってくれない的スネ坊世界の戯れ言なので真面に観れば退くし、ディーンの演技が路線に忠実に走行するのも少し鼻につく。ましてやレイの作家性なんぞあるのかどうか知らないので今更どうしようもな…

オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分

★★★★★ 2015年7月11日(土) シネリーブル梅田1 愛する妻子をどん底に落とし責任を負った仕事を放っぽらかしても男には断腸の思いで果たさねばならぬ信義則がある。リミッターが振り切れそうな真夜中の疾走と孤独が皮膚感覚で迫る濃厚な86分。アウトバーン…

ラブ&ピース

★★★ 2015年7月10日(金) TOHOシネマズ梅田6 どうにも手垢ついた骨子では仕方なく寄木のように捨てた者・物への想いを配してみたが上手くない。一途に謳いあげることへの照れは被虐志向で粉飾。一生懸命歌い上げた自身の作詞作曲が「スローバラード」1曲で…

二人妻 妻よ薔薇のやうに

★★★★ 2025年4月29日(火) シネヌーヴォ 色んなデータベースを始め各種記述に於いても「妻よ薔薇のやうに」のタイトルで流通してきた映画だが、今回見てタイトル画面に「二人妻」とドーンと出たのに驚いた。「妻よ薔薇〜」はその下に小さく記されて、これっ…