※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。
日傘
先日、奈良に行ったとき思った。
「日本の女たちは、昔からこんなに日傘をさしていただろうか」
近鉄奈良駅から登大路の国道沿いを興福寺脇を通り、鹿にせんべいやりつつ東大寺へ向かう道すがら思ったのだ。
もちろん、女たちが日傘をさしているのは日常見ているわけで、今更とりたてて言うのもどうかと思う。
しかし、その日は道を行く人々の外国人比率が50%くらいだった。
日本人の女たちの日傘率は、ざっと見て80%くらいか。
それに対して、外国人女性の日傘率は完全に0%であった。
日傘をさしてる女なんて1人もいやしないのだ。
こういう環境下におかれた俺の魂は仮想の外国人男性のNicholasへと憑依する。
「Oh! Japanese Girls Doitsumokoitumo Kasa sasiteruyo Bakkamitaidaze! Do you think so, Nancy?」
「Oh! Japanese Girls are all Shigaisenkyoufusyo, Maji Bakkamitaiyo」
元の体に戻った俺は、1人赤面しつつ、Nancyと思しき女性の健康的に日焼けし汗を輝かせたタンクトップにショートパンツ姿の開放感を好ましく思う。
どいつもこいつも携帯の小さな画面に見入る電車内の風景。
俺は、一種の嫌悪感を感じるので、電車内で携帯を見たことは一度もない。
この日傘にも、そういうのと同質な感じを受けた。
俺たちは、このままでは、どんどん萎縮した小さな世界に押し込められていくだけなのではないだろうか。
1歩退いた目で見れば、案外視界は開けるかも知れない。
閉塞感を打破するには、そういうとこから始めないといけない。
えっ?ところで、お前は日焼けした女性と色白な女性だったら、どっちが好みかって?
色白に決まってるやろ。