男の痰壺

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キングダム2 遥かなる大地へ

★★★★ 2022年7月25日(月) MOVIXあまがさき9

今でこそ老いたブタゴリラと化してしまったが、少年時代の俺はカモシカのように俊敏で走るのが速かった。ふと、そういうことを思い出してしまった。リレーのアンカーで2位でバトンを受け取る。よっしゃやったるでーと猛然と先行ランナーを追いかける。アドレナリンの噴出MAXでおらおらーっと追いつけ追い越せひっこ抜けで駆け抜ける。

本作で山崎賢人は全速力で走る。かつての俺のように。そういう意味で、これは少年が少年たる所以の少年マンガというものの理想的で高濃度な具現化だと言えよう。 

 

原作読んでないし、秦の始皇帝の話も知らないのだが、長い長編の第2部であるはずの本作は、秦と魏の局所的な戦闘を描いただけに終わっていて、おいおいこんな調子では全体がいつになったら終わるかわからんぞ的な豪気さであります。まあ、どうなるか知らんが知ったこっちゃないわけで、こと本作に関しては豪気であることは良しである。

 

大沢たかおのわざとらしいまでの作り込みには目と耳が慣れた俺であるが、今回のトヨエツには再び何じゃこりゃ〜と失笑禁じ得ませんでした。でも最後には慣れました。「カメラを止めるな」の濱津隆之が良い役得てよかったねであるし、渋川清彦も又こんな大上段な侠気見せられる機会滅多にないよね。でも、なんといっても清野菜名ちゃんですな。「TOKYO TRIIBE」で見せたアクション女優としての素質を活かせるナイスキャスティングだと思いました。

 

アドレナリン全開で目標に向かって己が脚で馬で戦車で走る。少年期のがむしゃらな記憶を呼び起こさせるような熱量。歴史の中の小状況に絞った展開だが何とか慣れた大沢の作り込みの脇からこれ又失笑もののトヨエツが何時しか局面を悠久に延伸させる。(cinemascape)

 

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