

リセットされた新たな出発の前夜か、全てが終焉を迎える予兆の始まりか。後に振り返って2025年とは俺にとってどういう年だったということになるのだろう。
20年以上しぶとく投稿を続けて来た cinemascape という映画サイトが秋口からアクセスダウンしていて、今回ばかりはどうもご臨終のように思える。投稿者を細胞に例えるなら、多くの細胞は経年劣化し衰弱、死滅、離脱し、サーバーを血管に例えるなら、積年の過負荷は多くの血栓を生じさせ硬塞が発生しお陀仏。3度にわたる脳梗塞と1度の心筋梗塞を経験した俺だからわかるのかも知れない。(って復活するかも知れんけど)
そして、同じく20数年勤めてきた現職場も来年春に去る予定。仕事辞めて悠々自適なんてのは貯金ゼロ年金激少の俺に適うはずなく、あらたな苦難が始まるだろう、南無三。神よ年末ジャンボを俺に当て給れー、頼むから。
とまあ、そんななかでも線香花火の消えゆく前の最後の煌めきの如く148本の映画を映画館で見た。印象に残ったものを新作・旧作ない混ぜで記すと
日本映画 ★★★★★
ファーストキス 1ST KISS
ゆきてかへらぬ
秀子の車掌さん
おかあさん
女の歴史
8番出口
乱れる
てっぺんの向こうにあなたがいる
星と月は天の穴
日本映画 ★★★★
喜劇急行列車 劇映画孤独のグルメ はたらく細胞 敵 れいこいるか あめだま 悪い夏 二人妻妻よ薔薇のやうに 今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は 鶴八鶴次郎 JUNK WORLD ドールハウス からっ風野郎 「桐島です」 赤い天使 陸軍 近畿地方のある場所について 海辺へ行く道 ふつうのこども 銀座化粧 旅と日々 愚か者の領分 爆弾 ナイトフラワー
外国映画 ★★★★★
ディックス!! ザ・ミュージカル
リアル・ペイン 心の旅
ANORA アノーラ
エミリア・ペレス
ミッキー17
秋の来るとき
エディントンへようこそ
外国映画 ★★★★
オークション盗まれたエゴン・シーレ 続・激突!カージャック おんどりの鳴く前に コルドリエ博士の遺言 捕えられた伍長 陪審員2番 プレゼンス存在 名もなき者A COMPLETE UNKNOWN Playgrownd校庭 教皇選挙 ウィキッドふたりの魔女 終わりの鳥 アンジェントルメン 大平原 IT'S NOT MEイッツ・ノット・ミー サンダーボルツ* 訪問、あるいは記憶、そして告白 メガロポリス 群衆 ハルビン DROPドロップ 男性の好きなスポーツ ザ・ザ・コルダのフェニキア計画 季節はそのまま ブラックバッグ ワン・バトル・アフター・アナザー ラストブレス 若き獅子たち ローズ家崖っぷちの夫婦 シャドウズ・エッジ 東は東
日本映画に於いて業界内トピックを超え社会の耳目をさえ攫った「国宝」のヒットであったが、喜ばしいこととは思う一方で出来には冷めた気持ちにしかなれず、そんななのに、その手のジャンルに無関心のカミさんまでが遅ればせながら連れて行けと騒ぎ出す始末で、1人で既に見てるとも言えない俺は2回見る羽目になったけど印象は全く変わらなかった。上半期のベストに挙げた「ゆきてかへらぬ」と下半期に「遠い山なみの光」に最高点をつけ、歳がいもなく広瀬すず熱中ジジイみたいだが、決してそういうことではなく純粋に総合芸術としての映画としてのあり様を評価したものである(ほんまかいな)。そんなわけで20代で2年間住んだ長崎の地獄とほの淡い郷愁が稲佐山からの景観から喚起された「遠い山なみの光」をベストとする。
外国映画は上半期の豊穣に比べて下半期は不作であった。その反動から「エディントンへようこそ」を見たとき、これぞベストやと興奮したのだが、不思議とその興奮は日を置かず冷めてしまった。となると上半期ベストにした「アノーラ」か、それと同格と思われる「エミリア・ペレス」が残り、俺やっぱ骨太な映画が好きやないかい、と骨太女優がデーンと居座る「エミリア」をベストにしよう、と思いかけたとき、奈落の奥底から骨太な上にエクストリームゲスな「ディックス!! ザ・ミュージカル」が天啓のように浮上した。そうなると天啓に従うしかない。
旧作では、後にも先にも成瀬特集で、今更何言っとんねんなんやけど、7本見て6本に的中されたことは恥を忍んで記しておく。
そんなわけで、2025年ベスト映画は
ディックス!! ザ・ミュージカル