男の痰壺

映画の感想中心です

おもひでのしずく (2003年9月9日)

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。

 

過渡期

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「ボロは着てても心は錦…」
チーターさんが嘗て歌ってた時代。
みんながボロ着てました。
だから、チーターさんの歌声にささやかながらも私たちは皆、「俺のことだぜ…」と思って納得できたのでしょう。
「ボロを着てると心もズタボロ…」
今の時代、1億総中流意識は崩壊し、勝ち負けが徐々に顕在化しているときに、ボロを着てることは即、負け組になったかのような錯覚を与えかねません。
過渡期なのではないでしょうか。
中流意識が抜けきらないまま、劇的変化に晒されたガキは妬み根性で人を簡単に殺し、親爺は逃避の為に自殺し、女性たちは子供を持つことを躊躇するでしょう。

私は昔が良かったなんて思いたくないし、現実に戻ることなどできません。
ただ、ふやけた中流意識が潜在意識からきれいさっぱり拭い去られた世代が社会の中心を成す時代がいづれは来ると思うだけです。
そのとき、どう自分は生きていくのかを考え続けないといけないと思います。

村上龍著「最後の家族」にインスパイアされて。