男の痰壺

映画の感想中心です

妖星ゴラス

★★★ 2025年1月12日(日) 大阪ステーションシティシネマ

幼少時の俺は怪獣狂だったので、テレビ放映で見たときも目当ては南極怪獣マグマだけであり、なかなか出てこないマグマにしびれを切らし、出てきたと思ったらあっという間に倒される様に大層失望した覚えがある。そんなだから、ゴラス回避のために地球を動かすというこの映画の肝をちゃんと見てなかった。

何時しかその記憶は反転し、もしかして東宝特撮映画の傑作だったんじゃなかろかとの思いが何十年も募り「午前10時の映画祭」のラインナップを見てから1年近く首を長くして待っていた次第です。

 

でもね、公転の軌道を外れて地球は自転し続けられるんやろか。自転が止まれば即アウトらしいっすから。月が無くなって無事なんやろか。潮の満ち引きだけじゃない気もする。とかしょーもないこと考えるしょーもない大人になってしまいました。

 

それでも相当なリサーチを重ねたらしく、その成果は少なくないとは思います。一番意外だったのはゴラスをかわして無事直撃を免れました、めでたいなーチャンチャンではなく、通過するゴラスの強大な重力禍で地球は壊滅的なダメージを受ける。都市は水没しおそらく地球規模で言えば何億人も死んだんでしょうね。

でも主人公たちは清しく希望に満ちた顔で復興への決意を高らかに謳うんです。それは大戦から立ち直った時代のもたらす自信なんでしょう。そんなこと思いました。

 

宝田明高島忠夫でなく池部良上原謙というキャストも新鮮でした。重みがちゃいますな。

 

直撃を回避して尚壊滅的なダメージを受ける地球に生半可なお子様向けで済ませない矜持を感じるのだが、公転軌道外れて自転し続けるんかいなとか月無くなって済むんかいなとか思ってしまう。世界の人口の半分位死んでるけど復興への希望は驚く位に漲っている。

 

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