★★★★ 2025年9月27日(土) 大阪ステーションシティシネマ6

よくある夫婦スパイもんであるし、そんなだから互いのプロとしての矜持と疑心暗鬼が鬩ぎ合うのもパターンである。だが、一見冷徹マシーンのようなマイケル・ファスベンダーとケイト・ブランシェットの心根に互いへの信頼と絶対愛があるらしいのがいい。「あいつに何かあったら自分がどうなっても絶対助ける」なんて、言ってみてー、て言わんのか俺?
ソダーバーグの演出も、もはや手慣れたもんであり、おーっ!と身を乗り出すような演出もない代わりに、非情と瞬時の決断を程よく織り交ぜて緩むところもない。「ミッション・インポッシブル」とかが気合いとプレッシャーで雁字搦めになったのと比べて非常に心地よい按配なのだ。