男の痰壺

映画の感想中心です

映画2014

GODZILLA ゴジラ

★★★★★ 2014年8月6日(水) TOHOシネマズ梅田7 守護神的役回りに「ガメラ」との近似を見るに吝かではないが、しかし、このゴジラの憎悪表現のハイボルテージの熱量が、本来対置するのも恥かしいミクロ世界の絆の連鎖に伝導し不可逆の化学反応を起こす。…

トランスフォーマー ロスト・エイジ

★★ 2014年8月14日(木) 梅田ブルク7シアター6 方形の金属がガシャガシャと変形するのが良いのであって、粒状物質にトランスフォームさせた時点で終わったと思う。途中からクソのような物語の舐めた根性に付き合うのがアホらしくなった。謙やグッドマンが…

LUCY ルーシー

★★★ 2014年8月29日(金) TOHOシネマズ梅田2 エイゼンシュテインも墓場で真っ青な冒頭のチーターモンタージュを気力で乗り越えると後はどうなっても平気だった。寧ろ無心でスカヨハのおっぱい調度いいでかさだなとかに念を注力した。ただ、ミンスクがど…

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー

★★★ 2014年9月14日(日) MOVIXあまがさき10 1人カラオケしつつのオーブ奪取の掴みが良く、面子が揃うまでは流れも快適だが、揃ってからは毎度の悪の枢軸VS連合軍的定番戦争の善良サイドの尖兵と化して新味も失せる。惑星ザンダー上空の陽光下の…

TOKYO TRIBE

★★★★ 2014年9月6日(土) 梅田ブルク7シアター5 6トライブの混沌戦ではなく所詮単体極悪VS良い子グループでしかない芸無い展開にそれでも磁力付与するラップアイデアが『愛と誠』と並ぶ。力・叶・翔子の3馬鹿をギャグ化寸前で押止める窪塚と新星菜名&…

ルパン三世

★★★ 2014年9月24日(水) 大阪ステーションシティシネマ2 いい線いってるキャスティングだし、メイサの殺陣をとか見ればボロ隠しの才は認めるのであるが、マグナムや斬鉄剣で人を撃ち・斬れば人体は破壊されるリアルとの折り合いを真剣に探ってないと思う。…

フライト・ゲーム

★★★★ 2014年10月1日(水) 梅田ブルク7シアター3 絶対的窮地を救うのは計算外に溢れ出た心の奥底の心情吐露で人を打つのはそういう虚飾のない本質である。鮮やか過ぎる状況の180度の転倒に素直に加担させられる間も無く機内に限定されてきたカメラアイ…

ジャージー・ボーイズ

★★★ 2014年10月5日(日) MOVIXあまがさき3 イーストウッド主モチーフであるところの怒りの要素は希釈され尚演出家としての破綻がない分毒にも薬にもならない。コマ劇場でのヒット歌謡ショー「クールファイブ物語」米版的如才の無さで楽しい時間だ…

舞妓はレディ

★★★★ 2014年10月6日(月) TOHOシネマズ梅田7 エッジ効かせるなんて野暮どすえと言う映画内コンセプトを作劇にも応用したか知らんが絶妙の緩さ。萌音ちゃんの垢抜けし行く様は本家を遥か凌駕しオジサンの萌え心を擽り、スペイン平野は京都盆地に時空を…

イコライザー

★★★★ 2014年11月6日(木) 大阪ステーションシティシネマ11 全ての男どもが思い描く夢の最大公約数を具現化するに全く躊躇せず工芸品を愛しむように丹念に磨き上げられた世界。この微妙な過剰さの匙加減がフークワの特質だろう。終盤のそこまでいっちゃう…

紙の月

★★★★ 2014年11月16日(日) MOVIXあまがさき6 境界を踏み越えてしまう女心が十全に描かれぬのは良しとしても、どうにもりえの疲弊が出すぎて痛々しい。だから単なるバカ女に見えてしまう。一方、相変わらず演出はキザで随所で小粋な画をみせるのは一応…

インターステラー

★★★★ 2014年11月22日(土) 梅田ブルク7シアター7 尺を費やした親子の絆を水の惑星のエピソードでものの見事に断ち切る意外性は後段の未だ見ぬ地平への期待を弥増させるのだが、周回しての落し所はそこかという万人の安心ラインが失望だ。絵面は多少『オブ…

日々ロック

★★★★ 2014年11月22日(土) 大阪ステーションシティシネマ3 お姫様をめぐる3馬鹿トリオはたのきん映画みたいなベタさであるが、ウザさ臨界線上な野村の演技がそれでも取り敢えずの強度を映画に付与し物語を強引に牽引した挙句のクライマックスは爆裂的だ。…

ゴーン・ガール

★★★★★ 2014年12月14日(日) MOVIXあまがさき9 想定の範囲を遥か凌駕した転がりを見せる傑作脚本に対し徹底した即物描写に終始するフィンチャーの枯淡と言えなくもない境地は悪くない。だが、映画史に刻印されるファムファタールをスッピンと決めメイ…

バンクーバーの朝日

★★★★ 2014年12月28日(日) MOVIXあまがさき5 鬱積を晴らす術もない抑圧の移民族史の束の間の晴れ間を描くにこの低体温が相応しい。ましてやバント戦術というショボい勝ち方ではゲームが盛り上がろう筈もないが、それでも必死だった彼等の思い…

超能力研究部の3人

★★★ 2014年12月6日(土) 梅田ブルク7シアター7 構ってもらえる才能の無さが羨ましいと宣う絵梨花の独白がドキュメンタリーとしてフィーチャーされない山下の毒不足と半端な気構えが不快だ。総じて茶番だが、フェイク部分の山本剛史の満座を圧するような渡…

自由が丘で

★★★★★ 2015年1月12日(月) シネマート心斎橋1 ラストに置換されたムン・ソリ退場の切ないまでの情感を全篇の時制シャッフルが軽やかに担保する。恋人に会えぬ煩悶や恋人がいない孤独を底流に湛えつつ、しかし一見無為に見える日々の営為を慈しむかのような…

猿の惑星 新世紀

★★★ 2015年1月12日(月) 新世界国際劇場 飛躍的進化を遂げた猿CGではあるが、ワンダーなSFとしての内実は退行した。猿仮面を剥ぎ取れば芸の無い見飽きた覇権闘争の旧態イズムしか残らない。決定的にキャラの駒が足りない。望むべきはGSでの「ザ・ウェ…

百円の恋

★★★★ 2015年1月17日(土) シネリーブル梅田2 ジムの経営者やトレーナー、コンビニの2人の店長や店員といった脇キャスティングが全て命中しており、遣る瀬無い閉塞と片隅感が充満するのが良く、そういうリアリズム基盤の上で『ロッキー』チックな類型的再…

シン・シティ 復讐の女神

★★★ 2015年1月23日(金) TOHOシネマズ梅田6 浮浪者狩りの糞ガキを狩るロークの掴みやカードやコイン技の一挙手一投足の末端まで気合を漲らせるレヴィットの至芸と出だしは良いが、肝心のジェシカに切ないまでの悲哀がエヴァに悩殺的な色香が無く予定調和な…

マップ・トゥ・ザ・スターズ

★★ 2015年1月17日(土) テアトル梅田1 ハリウッド言うても片隅が舞台の旧態な因縁話で描かれる毒に新味がない。西海岸の乾いた陽光をサスチツキーは平板にしか捉えられず、しょんべん臭いヘタレガキも半端である。『サンセット』の魑魅魍魎ヤ『イナゴ』の…

KANO 1931海の向こうの甲子園

★★★ 2015年1月25日(日) MOVIXあまがさき10 力作なのだが余りに総花的展開で散漫の誹りは免れない。挫折した永瀬の自己回復の物語と混成ダメチームの成功譚はリンクしつつも根っこで化学反応は起こさない。更に何故か札商の青木が語り部で、大沢の出番に…

さらば、愛の言葉よ

★★★ 2015年2月7日(土) シネリーブル梅田1 「愛」と「言葉」について語り続けてきた男が決別を言う程の感慨もなく本気かも怪しい醒めた世界は、しかし溜らぬ冷えた情感が覆う。レマン湖を揺蕩うフェリーを筆頭に水が印象的だ。『メイドインUSA』的ギャ…

6才のボクが、大人になるまで

★★★★ 2015年2月7日(土) 大阪ステーションシティシネマ8 6歳の頃に永遠に拡がってた未来は僅か10数年で視界90度位に狭まってしまうという現実と真実を年月を費やし詳らかにした労作だが、だからどやねんとも思える。アークェットの疲弊の年輪を重ねゆ…

アメリカン・スナイパー

★★★ 2015年2月24日(火) 大阪ステーションシティシネマ1 イーストウッド版『グリーンベレー』とまでは言わぬが矢張り9・11を起点とした報復論理で捉えた戦争は自国民の犠牲という帰結への詠嘆では事足りぬ。砦からの脱出ばりのクライマックスも陳腐。イ…

シェフ 三ツ星フードトラック始めました

★★★ 2015年3月5日(木) MOVIXあまがさき10 SNSを軽んじ凋落しSNSを利して復権する展開が今なのだというより寧ろ余りに能天気。それなりの地位にいたシェフがサンドイッチ専業で出直すのもそうなのか?といった感じだ。逸脱を担うダウニーに比しスカ…

イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密

★★★ 2015年3月18日(水) TOHOシネマズ梅田7 エニグマ解読の軌跡は幾何学図形やレトロCPの形象の珍奇さで誤魔化され結局決め手はそんなことかいという落胆。文系男子が理系題材を調理したってこの程度かと思う。終盤、大局的非情と性嗜好の露見が錯綜する…

イン・トゥ・ザ・ウッズ

★★★★★ 2015年4月4日(土) 梅田ブルグ7シアター5 可愛くも綺麗でもない御伽噺の人物挿話がパロディックに連関する前半が絶妙の端折り具合で、又王道ミュージカルな楽曲の冴えが70年代的芳香なのだが、一転、テロルの連鎖に晒された今に如何に向き合うか…

マジック・イン・ムーンライト

★★★★★ 2015年4月17日(金) MOVIXあまがさき9 最早新しいことは何一つ無いのだがアレンシニカルサイドを抽出したかのようなファースが目玉お化けエマの眼力の下の純情に融解される。そのキャラ強度こそ肝。天文台の雨宿りはラブコメ常套でも品位と節度が好…

インヒアレント・ヴァイス

★★★ 2015年4月21日(火) シネリーブル梅田3 ウィルソン登壇辺りから流れを見失い気が付けば終盤だった。そういう迷宮世界の混沌に酩酊する物語だとしても、キャストの鮮度落ちの熟成が足りなく生腐りで旨み成分が出てない。天使のようなキャサリンちゃん再…