映画2007
★★★ 2008年2月16日(土) トビタ東映 禁じ手の筋ジスやベタなフォークに流されまいとしても暮雨だの如く流れる涙は止まらず、今更の史観を声高に論じて憚らぬ臆面の無さは嘗ての木下恵介にも匹敵。コミュニティの孤絶に見出す居心地良さは最高級だが、矢張り…
★★★ 2008年3月8日(土) テアトル梅田1 グリーナウェイは市警団内部の腐敗をこそ踏み込んで描くべきで、その中での禍々しいまでのハッタリズムをこそ見たかった。こうもレンブラントのキャラが凡庸ではフルチン羅列如きでは何の足しにもならない。残念なが…
★★★★★ 2008年3月22日(土) TOHOシネマズ梅田10 全てが腑に落ちたお爺ちゃんの時代は去りベトナム世代も時代から置かれていく。独自の論理と倫理が跋扈する時代に老兵は夢の残骸を語るしかない。コーエンピークの緊迫のミニマリズムにオープンな西部風…
★★★ 2008年3月22日(土) テアトル梅田2 序盤のセクト勃興史は、あたかも深作『代理戦争』の如しで快調だが、物語が山に入ってからは停滞。今更のこういう永田や森なら伴明『光の雨』の方が鮮烈だった。愚直なまでの若松は支持したいが現代に訴求させる多面…
★★★ 2008年4月5日(土) 新世界国際劇場 何の新味も刺激もない今更の題材で、時制をシャッフルする編集も意図不明の小賢しさだが、執拗に我が子を探し求める母ものとして神経症的ムーアや狂気のフォスターをキッドマンが3馬身差でぶっちぎった。そのクール…
★★★★★ 2008年4月19日(土) TOHOシネマズ梅田5 青臭いセンチを無邪気なまでのゴリ押しで貫く『恋する惑星』の頃と変わらぬ一貫した世界観に清々しささえ覚える。最初はウザいだけのノラ・ジョーンズがキュートな女へと変貌する様に物語的担保はシンプル…
★★★★ 2008年4月19日(土) テアトル梅田1 何も主張せず状況だけを切り取って散文的であることに徹するようにも見えるが、文字通りの普通の良い子をこうも完膚無きまでに体現されると観る者は肩入れせざるを得ない。そのキャスティングにサントの主張が凝縮…
★★★ 2008年4月19日(土) TOHOシネマズ梅田10 参照したという70・80年代映画の内『ネットワーク』的物語構造と『評決』的キャラのリミックス。鳥瞰的に社会悪を燻しだす気もなく主役3人の浅い相克に終始するだけで、悦に入るクルーニーも虚しい限…
★★★★★ 2008年5月10日(土) TOHOシネマズ梅田6 キング初期傑作の完膚無きまでの映像化完成形。予断の範疇の臨界を微妙に行き来する出来は絶妙としか言えない。ハリウッド商業コード内で途轍もない絶望地獄を現出させたしたたかさ。ラストはギリギリの妥…
★★★ 2008年5月10日(土) TOHOシネマズ梅田8 そういう風に物語が収斂するように仕組まれているとも見えなかったし、そうだとしても在り来たりな顛末にしか見えない。ディテールへの拘りは強固と浅薄を歪に往還しデイ・ルイスの演技も同様。なんかしっく…
★★★★ 2008年5月24日(土) 新世界国際劇場 冗長とも言えるが敢えてアンゲロプロスのようだと言ってみれば深淵にも思えてくる。少なくともリアクションではなく場の空気を描こうとしたのは間違いない。それが成功したシーンは心底堪らないが、でないシーンは…
★★★★ 2008年6月19日(木) シネリーブル梅田1 ナオミ・ワッツの困惑ではないが、実際あんた、どっち行きたいねんと思える半端な終幕に唖然ともした。が、にしても、このドップリとロンドンのマイナーコミューンに浸りきったクローネンバーグの描写の数々。…
★★★★ 2008年6月21日(土) シネマート心斎橋2 途方もない哀しみと絶望は、やがて内的に異化され攻撃的に解消されていくなら未だしも、揺り戻しの如くに再度浸食を始める。壊れていくしか、又見守るしか術はない。全てに背を向けた者は何に達し得るのか?完…
★★★★★ 2008年7月12日(土) TOHOシネマズ梅田4 真摯に語らねばならぬことに対してのハギス演出が、贅肉ゼロのドラマトゥルギーを潔癖なまでの簡潔さで描く。父はやり場のない憤りを噛み殺して逆さ星条旗に思いを託すしかない。ワンサイドな視座から遙か…
★★★★ 2008年7月26日(土) 天六ユウラク座 正直ガンアクションとしてのキレは絶頂期のジョン・ウーの出来には遠い。が、狙ってるらしいアホが堂に入って衒いが無い。好感を持った。終盤に至ってはテキトーが罷り通り突き抜けモニカまでアホ街道を驀進する。…
★★★ 2008年8月9日(土) トビタ東映 西村・蒼井・田中が証言台に立つ序盤。焼夷弾による空襲への包括的裁断へどれだけ迫れるかとも思えたが、これが、藤田演ずる日本将校の米軍兵死刑問題への前フリとして機能しか無くなった時点で問題意識は極度に矮小化さ…
★★★ 2008年9月13日(土) 新世界国際劇場 予定調和なまでの意外性ゼロな展開な上、体温低そうなキッドマンやクレイグどころかライラ役の女の子まで低血圧気味で醒めた低音基調が持続。CG白熊とかが代わって担う感情起伏は無惨なまでに形骸的だし、何よりリ…
★★★★ 2008年10月25日(土) トビタシネマ 強者の論理に依る単視眼な構造。対ヘリ砲の有無に収斂する物語は深みが無い。期待値ゼロのニコルズ演出にピークアウトした主演2人。見所はホフマンの曲演技のみかと思ったが今更にスター2人の力感に痺れた。特にジ…
★★★ 2008年11月8日(土) 梅田ガーデンシネマ1 至高とまでは言わずとも、前半のこの田舎のアトリエの緑と空気と陽光と無為なダイアローグの応酬の調和は何かを現出させる寸前までは迫ったかに思えた。物語を語ることに従属した後半が惜しまれる所以だ。ロメ…
★★★ 2008年11月8日(土) 梅田ガーデンシネマ1 描きたいことが終盤に差し掛かり判明するにつれ、こういう手垢の付いた多元的時制の反復は不要だったと惜しまれる。直線構造でギリシャ悲劇のようなホフマンとフィニーの対峙が見たかった。それを為し得る2人…
★★★ 2008年12月2日(火) 梅田ブルク7シアター7 約束された展開だが、軽いジャブから強烈なアッパーカットへと至る展開は、時間と空間を歪曲しフェイントで絶望地獄を現出させた。ただ、主人公のトラウマ話が余りに予定調和で、その辺、ポランスキーやコー…
★★★ 2008年12月20日(土) 新世界国際劇場 主人公がモラトリアムに自分探しするのは結構だが、何故「子守」なのかが、人類学専攻による研究志向だと言い訳してもかなり胡散臭い。それは、半端なファンタジー色を散りばめた描法の座りの悪さにも言える。ヨハ…
★★★ 2008年12月20日(土) 新世界国際劇場 ショボい能力なのを、どういう展開工夫でそうじゃないようにさせるのかと思えば、行き着いたのが何だか解ったような解らないような分身術。ラストの時間巻き戻しに至っては決定的な徒労感を感じた。タマホリ演出の…
★★ 2008年12月27日(土) 天六ユウラク座 アホな話であることに吝かではないが、タメなく登場するサスペンスへの軽侮とポリティカルな視点1つもないミリタリーオタク的浅薄な気色悪さとTVの戦隊ヒーロー物レベルの重量感無きCGが渾然一体となって見るも…
★★★ 2008年12月27日(土) ホクテンザ1 逆境に陥っても自己を卑下せず幼いながら社会と対等に対峙していこうという姉のバイタリティに希望の灯を見出したいのだが、一方で姉妹愛とでも言うべき閉じた世界へ内向していく。そのへん何を描きたいのか困惑する…
★★★ 2009年1月17日(土) シネリーブル梅田2 ショッカーな技法を封印したのは悪かろう筈もないが、心理の深淵に到達する何かがあるわけでもない。結局は『シックス・センス』から『アザーズ』を経た彼岸と此岸の物語の1変奏曲に過ぎない。終盤の謎解きのフ…
★★★ 2009年1月31日(土) トビタ東映 石井版『サンセット大通り』風味な『インランド・エンパイヤ』なのがオリジナリティ無き胡散臭さ。しかし、喜多嶋舞のやけくそな行って来いぶりには感動した。特に電車のシーンは古今東西の同工シーンを凌駕する出来。す…
★★★ 2009年2月21日(土) テアトル梅田2 牧神の午後的アンニュイと神話性を伴い老練な無駄のない闊達さで物語は進むのだが、肝心のギアが何時までたっても入らない。で、あろうことかシェークスピア的女装ネタに突入。もうドン退きとなってしまった。リアリ…
★★★ 2009年2月26日(土) 梅田ガーデンシネマ1 語り口は壊れていないリンチみたいで悪くもないし、もともとコッポラは尖ったショットのアートフィルムが撮れる作家だと思っているのだが、どうにも老人の繰り言めいた話なので退屈なのだ。言語学というのも映…
★★★ 2009年3月21日(土) 新世界国際劇場 山の上から眼下のビーチへ降りて行くという説話的導入は魅力的なのだが、ほぼ主役2人のドラマに集約され前作のカオスとヒリヒリした緊迫感は消失された。家を失い離散しゆく人々は背景に過ぎ去り抑制された物語的調…