男の痰壺

映画の感想中心です

2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

おもひでのしずく (2003年7月1日)

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 功徳 先月の初めに、東京にヤボ用で行き、親類とこ泊めてもらった帰りに、パチンコやったらフィーバーして2万円儲かっちまって、時間余ったから、一度、府中で競馬ってのをやってみようかと思い、9…

ニーチェの馬

★★★★ 2013年3月15日(金) 梅田ガーデンシネマ2 凄まじい強度と吸引力を持った画面の連続だし、ワンシーンを2カットで描ききる潔癖さの一方、辺境ロケセットの家屋と井戸の距離の絶妙や過剰なまでの風への拘泥。ただ、こういう終末観は目新しくなく、又3…

帰ってきた若大将

★★ 1981年2月25日(木)伊丹グリーン劇場 バブル勃興前夜の停滞期に高度成長時代のコンセプトを何の再考察もなく復刻しようという過ちもだが、何よりええ歳こいたおっさんが若大将だ青大将だと脳天気に浮かれてる様に如何様にすれば興味を持てるのだろう。加…

コロンバス

★★★★ 2020年3月27日(金) シネリーブル梅田3 監督がブレッソンやヒッチコックや小津に傾倒するシネフィルだってこと以外、ほぼ予備知識ゼロで見たので、見始めてしばらくは、どういう物語なのかが掴み難かった。 幾人かの多様な人物の挿話が並行して描かれ…

おもひでのしずく (2003年6月18日)

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 マゾヒズム 先日、散髪に行った。3800円の近所の親爺の店を捨て、電車で4駅の1500円の店に鞍替えして半年。目が合う度に恨めしげな視線を放っていた親爺も目を合わせてこなくなった今日この…

千年の愉楽

★★★ 2013年3月15日(金) テアトル梅田1 神話的に撮られるしかないはずのサーガなのに、相変わらずにサクサク綴られ若松のやっちゃいました感に苦笑混じりに嘆息。高良の後家との絡みのエロスの片鱗に全盛期の今村級の追い込みを渇望した。血に纏わる物語な…

曠野

★★★ 1981年2月8日(日) SABホール 荒涼とした辺境から町への長い道行きが少年の成長過程に於ける通過儀礼となるというのは決して目新しいテーマでもないのだが、とにかくステップの描写が自然主義的に素晴らしい。それだけに、文学的アプローチの幻想シー…

ダンシング・レディ

★★★ 2020年3月22日(日) プラネットスタジオプラス1 映画史的には、アステアの銀幕初出作品って以外にこれといったトピックもない代物だと思う。 で、そのアステアに大して興味もないし、そもそも俺は50年代のMGMミュージカルが大好きってわけでもないん…

おもひでのしずく(2003年6月8日)

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 武豊 つまらん!武豊って野郎はほっんとうにつまらん! …って別に武豊に何の怨みもございません。あんたの乗った馬が2着に来なくたって、俺の張った金は戻っては来なかったのです。だから、恨み辛み…

愛、 アムール

★★★★ 2013年3月15日(金) シネリーブル梅田1 捻りも無い老老介護映画とも思えるのだが、それでも、感情を抑制し事の進行を淡々と凝視する精緻さには引き込まれる。鳩とトランティニャンの引き芝居の長廻しこそハネケの真骨頂。過酷な帰結のあとの黄泉への…

ウエスト・サイド物語

★★★★★ 1975年11月30日(日) ニューOS劇場 1976年1月18日(日) ビック映劇 原作でテイボルトやマキューシオが担う役割を集団に置き換え前面に出し、不良グループ同士のみならず不良と警官、男と女など多様な対立の劇的緊張の連続をモダンバレエで描いてド…

レ・ミゼラブル

★★★★ 2020年3月22日(日) シネリーブル梅田2 暴走する悪ガキどもを描いて「シティ・オブ・ゴッド」が惹句で準えられるが、実弾やナイフが使われ人も死ぬあれに比べて、投石や花火攻撃なのが、まあぬるい気もするが、いや待てこれがリアリズムちゃうんかと…

おもひでのしずく (2003年5月24日)

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 無惨 ジャンボ宝くじで3億円が当たった。税引き後の残りが2億4000万。ローンの返済に2000万を回し、親たちに「今まで迷惑かけたな…ふっ、これで老後つつがなく仲良く暮らすんだぜ」と各10…

草原の椅子

★★★ 2013年3月23日(土) 大阪ステーションシティシネマ7 巧く廻らない人生に於いて、今一度、人間関係を形式から整えることでリスタートしてみればという提言であり、夫婦と親子と友人が新たに形成されるのだが、今の時代、この衒いの無さは寧ろ有りではと…

彼女と彼たち なぜ、いけないの

★★★ 1981年1月4日(日) コマゴールド こういうことがアンチモラルとされた時代に淡々と肩肘張らずに物語るという点だけが身上なのにタイトル「何故いけないの」ってのは野暮というもんだ。同衾する男女のインモラリズムは表層の社会的ジェンダー作劇でかわ…

5時から7時までのクレオ

5時から7時までのクレオ★★★★ 2020年3月20日(金) テアトル梅田2 【ネタバレです】 冒頭で示唆された不吉な予兆は、始まってしばらくすると、この2時間にわたるパリジェンヌのコンテンポラリーそぞろ歩きから拭い去られる。 それが狙ったものか、演出の…

おもひでのしずく (2003年4月25日)

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 続・歯医者 かれこれ2週間以上歯医者に通っているのですが、1本が2本、2本が3本と次から次へと知らぬ間に治療されていて、いつまで経っても終わりません。ここのとこ、睡眠時間も少なく、診療台…

汚れなき祈り

★★★★ 2013年3月23日(土) テアトル梅田2 良く言えば通り一遍でないが悪く言えば未整理。現代の悪魔祓いという題材を得て尚ムンジウは撃つべき対象に躊躇してる。女2人の関係の特異性が抽出され過ぎ、教会という体制は後景に退いた。ただ、ラストを筆頭に…

炎のごとく

★★★★ 1981年5月10日(日) 伊丹ローズ劇場 雌伏を強いられた加藤泰の精魂を込めたかのようなショットが連発され、シーンごとの造形力は素晴らしいの一語。総決算と言うに相応しい。しかし、話がメリハリ無さ過ぎでダラダラ長いのも又らしいと言えばらし過ぎ…

チャーリーズ・エンジェル

★★★ 2020年3月17日(火) 大阪ステーションシティシネマ8 前回の映画化では、あまり気にもしなかったんだが、ええ歳こいた爺さんどもが、エンジェル、エンジェル言うのにこっ恥ずかしいような居た堪れなさを覚えた。 組織の絵空事は百も承知であるから、「…

おもひでのしずく (2003年4月16日)

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 歯医者 歯に詰めていたものが取れて何年ぶりかで歯医者に通っているのだが、さすが都会の歯医者さんは豪気だね。若い女の子の助手がわんさかいてさ、合間合間にいちいちお口のお掃除とか、歯垢落とし…

フライト

★★★★★ 2013年3月24日(日) MOVIXあまがさき8 社会的逸脱者が特定分野で秀でるという序盤のテーゼは心地よいまでに反転され映画は転がり続ける。複数のジャンル映画の様相を横断しつつ行き着いた50年代的モラリズム。そのド真ん中を射抜く確信に心を…

炎の舞

★★ 1981年1月7日(火) 伊丹ローズ劇場 隔絶された世界で燃え上がる恋人達。の筈が全く燃え上がってるように見えないので、妙にしんねりむっつりしただけの代物になった。百恵の能面からは愛の炎は終ぞ表出されず、表面ずらだけストーリーをなぞってみたの誹り…

テッド・バンディ

★★★★ 2020年3月14日(土) 新世界国際劇場 食傷のきみあるシリアルキラーもんってことで、例によって実在人物だそうで、つくづくアメリカって、どんだけシリアルキラーおんねんと思う。 のであるが、こいつの変ってるのは、逃げも隠れもしないぜ、だって冤罪…

おもひでのしずく (2003年3月24日)

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 赤紙 「今、俺に赤紙が来たら即行くね」先週、職場の若い衆がのたもうたお言葉です。赤紙来んでも、とっととイラクでも北朝鮮でも行って死んで下さい。死ななくとも地雷踏んづけて両足無くして神経線…

横道世之介

★★★★ 2013年3月23日(土) 大阪ステーションシティシネマ7 世之介のキャラは強固な太陽ではなく周囲の偏向キャラに照射され追憶に光を留める月光として介在するのが良くも悪くも吉田修一的。濃密な80年代の空気と吉高の愛くるしい笑顔で十二分に持ってい…

少年

★★ 1981年3月1日(日) SABホール この題材を黒塗りの日の丸で規定してしまうところに大島の横暴を感じる。情緒的な泣かせと政治的な反権力指向の狭間で物語は宙に浮いて居所を失う。後者であるならよりブラックな諧謔を、前者であるなら木下イズムへの転向…

紅塵

★★★★ 2020年3月15日(日) プラネットスタジオプラス1 びっくりするくらいに、ド直球の不倫よろめきドラマで、80分の中尺にそれ以外の枝葉をつける余地もない。時代が変わっても男と女のすることに変わりはないってことですな。 本作の肝は、ジーン・ハー…

おもひでのしずく (2003年2月10日)

※おもいでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 宗教 先週、アルバイトのA君が危険信号(逃走するかも知れない)を発しているのを、ここ2,3ヶ月で嫌がおうにも身についてしまった動物的嗅覚で察知した俺は、すかさず彼を飲みに誘ったのだ。彼の…

コロンビアーナ

★★★ 2013年2月14日(木) トビタシネマ ルサンチマンが全然足りないし、少女が最初っから結構スーパーなのも設定としてどうなん?とも思う。マニュアルな鋳型通りの見飽きた展開がサクサク進むが、今更ベッソンに言っても詮無い。ゾーイは初出シーンのみ萌え…